ひと昔前とは違いWEBやSNSが発達した現代では、集客ツールが多岐に渡り、「どの集客ツールが良いのか」と迷っている飲食店も少なくありません。
集客ツールを活用するには、売上目標や目的を明確にし、それに基づいた戦略を考えることが大切です。
そこで本記事では、集客効果を高めるために必要な知識をお伝えし、目的別に適した集客ツールをご紹介することで、店舗に適した戦略作りに役立つ内容となっています。
「これまでの集客ツールを見直したい」
「より効果的な集客ツールを導入したい」
と考えている飲食店の方におすすめの内容です。
最新の集客ツールもご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
飲食店が集客ツールを導入する前にやるべきこと3選

まず、飲食店が集客ツールを導入する前にやっておくべきことが3つあります。
大切なのは「目的を明確にして、計画的に集客を行う」ことです。どの集客ツールを使用するか迷っている飲食店は、まずは以下の3つを考えてみましょう。
- 販促計画を立てる
- ターゲットを明確にする
- 店舗の強みを客観的に把握しておく
販促計画を立てる
まずは、販促計画を立てましょう。売上を元に、販促費用(広告費用)をいくらかけるかを決定します。
なぜなら、あらかじめ販促費用を明確にしておくことで、利益を圧迫せず、無理のない範囲で効果的な集客施策を選べるからです。
販促費用の設定は、「売上の3〜5%を販促費用にあてる」方法がスタンダードです。例えば、月商が100万円の店舗であれば、3〜5万円が目安となります。
この方法は、売上が増えることで販促費用も増えるため、規模の拡大に応じた無理のない運用が可能です。
このように、販促費用をしっかりと設定しておくことで、予算を使いすぎることなく、計画的な運用が可能になります。
目的を明確にする
次に、目的を明確にしておきましょう。
「新規顧客を集客したい」「リピーターを獲得したい」などの目的がはっきりしていれば、それに合った最適な集客ツールを選びやすくなります。
目的に合わせた集客方法の具体例を、以下にまとめます。
- 新規顧客を集客したい:SNS・オフライン広告・看板設置など
- リピーターを獲得したい:公式LINE・グルメサイト・ポイントカードなど
- 若者に向けて集客したい:Instagramなど
このように、集客の目的をあらかじめ設定しておくことで、無駄な施策を省き、効果的な手段を選ぶことが可能になります。
以下にご紹介する「【目的別】飲食店向け集客ツール15選」では、目的ごとに役立つ集客ツールをご紹介しているので、自店舗の課題に合わせた戦略を立てることができます。
店舗の強みを客観的に把握しておく
最後に、店舗の強みを客観的に把握しておきましょう。
なぜなら、お店がアピールしたいポイントと、お客様が魅力を感じている点が一致しているとは限らないからです。
お客様の意見を把握するためには、店頭のアンケートや口コミが有効です。
例えば、オーナーが推したいのは料理の味でも、お客様は「落ち着いた雰囲気が好き」や「スタッフの接客が心地いい」といった点に魅力を感じてリピートしている場合もあります。
このように、実際のお客様の声を通じてお店の強みを明確にすれば、集客ツールでの打ち出し方にも説得力が増し、より効果的な集客につながります。
【目的別】飲食店向け集客ツール15選

ここからは、目的に合わせた集客ツールをご紹介します。
集客ツールごとにそれぞれ異なった魅力がありますので、自店舗に合った集客ツールを探してみてください。
【集客の定番】グルメサイト
【認知度向上とリピーター獲得】SNS・WEB集客
【売上UP】デリバリー対応
【地域密着】オフライン集客
【集客の定番】グルメサイト
食べログ
- グルメサイトの定番
- 信頼感のある店舗プロフィール
- 検索結果の上位表示や予約機能も
食べログは月間約1億150万人が利用する国内最大級のグルメサイト(※2024年12月時点)で、グルメサイトの定番ともいえます。
無料で利用できる「飲食店プロフィールサービス」では、店舗情報の編集や「公式」マークの表示が可能になり、ユーザーからの信頼性も向上します。
さらに、有料プランに切り替えることで、検索結果の上位表示やWEB予約機能などが使えるようになり、ユーザーの利便性が大幅にアップします。
食べログを活用することで、無料でも信頼感のある情報発信ができ、有料版ではさらなる集客効果を期待できます。
※参照:食べログ公式HP
ぐるなび
- 無料で掲載可能
- GoogleビジネスプロフィールやLINE公式アカウントの開設を無料代行
- 予約機能が無料(予約が入った分だけ料金が発生)
ぐるなびは、食べログに次ぐ利用者数の多いグルメサイトです。コストを抑えた効果的な集客が可能です。
無料で店舗ページを掲載できます。さらに、Googleビジネスプロフィール(MEO対策)やLINE公式アカウントの開設を無料で代行してもらえるため、WEB集客に不慣れな方でも、複数の集客ツールを手軽に活用できる点が魅力です。
さらに、ぐるなびはWEB予約機能も無料で使うことができ、予約が入った分だけ料金が発生する成果報酬型の料金体系です。
つまり、無駄な広告費をかけることなく、確実に効果が出た分だけ費用を支払う仕組みなので、初めてWEB集客に挑戦する飲食店にも安心して利用できる、おすすめの集客ツールです。
ホットペッパーグルメ
- 無料で掲載可能
- アクセス機能付き
- クーポン掲載無料
ホットペッパーグルメは、食べログ、ぐるなびに次ぐ利用者数を誇っています。
無料で店舗情報を掲載できるだけでなく、アクセス解析機能がついているため、掲載後の状況をデータで把握し、効果的な施策へと繋げることが可能です。
さらに、ホットペッパーグルメではクーポンを3枚まで無料で掲載できるため、割引や特典を通じてお得感を打ち出し、来店意欲の高いユーザーを確実に取り込むことができます。
【認知度向上とリピーター獲得】SNS・WEB集客
MEO対策
MEO対策は、近年、飲食店が特に力を入れている集客ツールになります。
MEO対策とは、GoogleマップやGoogle検索で自店を上位に表示させるための施策で、お店を探しているユーザーに効率よくアプローチできる手段です。
MEO対策に成功することで、GoogleマップやGoogle検索結果で上位に表示されやすくなり、来店のきっかけを増やすことができます。
MEO対策を徹底することで、地域の検索結果で自店舗の露出を高め、効果的な集客へとつなげることが可能です。
MEO対策について、詳しくは以下の記事で解説しています。
ホームページとSEO対策
ホームページを作成し、SEO対策を行うことで、ホームページの検索順位が上がり、新規顧客の獲得に繋がります。
特に公式ホームページは、信頼性の高い情報源としてグルメサイトやSNS経由で訪問するユーザーにとって重要な判断材料となります。
しっかりとSEO対策されたホームページを用意しておけば、興味を持ったユーザーの来店意欲を高めることができます。
SEO対策については、以下の記事で詳しく解説しています。
若い世代のユーザーを取り込むなら、Instagramが最適です。
Instagramは写真や動画などのビジュアルがメインのSNSであり、料理の魅力を視覚的に伝えやすいため、飲食店との相性が抜群です。ユーザーの「食べたい」「行ってみたい」という気持ちを自然と引き出すことができ、来店数の増加に繋がります。
さらに、飲食店紹介に特化したインフルエンサーに依頼するインフルエンサーマーケティングを活用することで、即効性のある集客が可能になります。
インフルエンサーマーケティングについては、後にご紹介する「【即効性抜群】伸び悩む方にはインフルエンサーマーケティングがおすすめ」で解説しています。
Instagramで集客をする具体的な方法については、以下の記事で解説しています。
X(旧Twitter)
XはLINEに次ぐ利用者数を誇り、手軽に投稿できる点と、高い拡散力を兼ね備えているのが特徴です。
特に話題性のある投稿が拡散されやすく、多くのユーザーに自店舗を知ってもらえるチャンスがあります。
飲食店の場合、ユニークなメニューや期間限定のサービスで注目を集めることができれば、どのSNSよりも高い宣伝効果を発揮できます。
他にはない独自の魅力や、話題性のある施策がある場合は、Xを活用して認知度を高めることで来客数を大幅に増やすことができるでしょう。
Xで集客をする具体的な方法については、以下の記事で解説しています。
Facebookは、Instagramに比べてユーザーの年齢層がやや高く、ビジネスマンの利用が多いプラットフォームです。
そのため、ランチ需要や仕事帰りの食事を狙う飲食店に特に適しています。
なお、FacebookとInstagramはどちらもMETA社が運営しており、Instagramでの投稿の際に、Facebookへ同時投稿することも可能です。
ビジネスマンへのリーチを広げるために、Instagram運用とあわせてFacebookも活用してみるのも一つの手です。
LINE公式アカウント
LINE公式アカウントは、リピーターの獲得に非常に役立つツールです。
LINE公式アカウントを活用することで、クーポンの配布やキャンペーン情報の発信が簡単に行え、来店の促進やリピーターの獲得に繋がります。
また、LINEの月間アクティブユーザーが約9,700万人(※2024年9月末時点)にも上るという、圧倒的なユーザー数もおすすめする理由です。
LINEはメッセージの開封率も高いため、高い確率で顧客に情報を届けられます。
※参照:LINEキャンパス「LINEの特徴やユーザーを知る」
LINE公式アカウントの運用方法については、以下の記事で解説しています。
【売上UP】デリバリー対応
UberEats
Uber Eats(ウーバーイーツ)は、世界中の10,000以上の都市で展開されているフードデリバリーサービスで、日本国内では47都道府県すべてで利用可能です(※)。
飲食店にとっては、初期費用や固定費なしでデリバリーを始めることができ、新たな顧客層へリーチできる点が魅力です。また、デリバリーによる売上の上積みが期待できます。
具体的には、月額料金や解約・違約金がかからず、クレジットカード決済にかかる手数料もUber Eats側が負担してくれます。
※参照:PR TIMES
出前館
出前館は、日本最大級の総合デリバリーサービスで、出店サポートが充実しており、デリバリーの導入が初めての店舗におすすめです。
また、飲食店の商品を接客態度や運転技術の基準をクリアしたスタッフが配達してくれるので安心して任せることができます。
月額の固定費は不要で、費用は成果報酬型の手数料のみ。配達も委託できるため、導入のハードルが低いのが魅力です。
【地域密着】オフライン集客
チラシ・DM
チラシやDMは、特定の地域にピンポイントで配布できるため、地域密着型の集客に最適な手法です。特にインターネットを利用しない高齢者層にも届きやすく、幅広い年齢層へのアプローチが可能です。
たとえば、ある居酒屋では「誕生月カード」を郵送し、誕生日の年齢分の餃子を無料で提供するキャンペーンを実施しました。その結果、利用率が高く、再来店を促す効果的な施策となりました。
DMは紙の郵送に限らず、EメールやLINE、グルメサイトなどでも活用されており、媒体ごとに異なるメリットがあります。店舗に合った方法を選ぶことが、効果的な集客につながります。
DMの種類や店舗に合わせたDMの活用方法に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。DMの導入を検討されている方はぜひご一読ください。
看板
看板は、昔ながらの定番集客ツールでありながら、今でも飲食店の存在を効果的にアピールできる画期的な手法です。
看板には、店名を大きく表示した「ファサード看板」や建物の壁面や支柱から突き出た「突出し看板」、路上に設置してメニューを紹介する「A看板」など多くの種類があります。
どれも通行人に対してお店の存在感を出すことができ、来店のきっかけにも繋がります。
費用は他の媒体と比べて低コスト、また一度設置すると24時間宣伝できるためコストパフォーマンスの高い集客ツールといえます。
自店舗に合った種類の看板を設置し、集客に繋げましょう。
ポイントカード
ポイントカードを導入することで、自然な形でリピーターを増やすことが可能です。
特におすすめは、公式LINEの「ショップカード」機能です。この機能では、LINE上でポイントカードを作成でき、来店ごとにポイントを貯めて特典と交換できます。

QRコードを設置すれば、お客様に読み取ってもらうだけで簡単にLINEの友だち登録とショップカードの発行が可能になります。
また、公式LINEの利用料は無料で、ショップカードもオンラインで完結するため、印刷などの追加コストもかからない点が嬉しいポイント。
現代ではキャッシュレス決済が主流となり、物理的なカードを持ち歩かない人も多いため、スマホ一つで完結するLINEのショップカードは非常に理にかなった選択といえるでしょう。
地域ポータルサイトや情報雑誌への掲載
飲食店の主なお客様は地元の方であることが多いため、地域に密着したアピール方法が効果的です。
例えば、地域情報を発信しているポータルサイトや、地元向けのフリーペーパー・情報誌などに掲載することで、地域に住む方々へ的確にアピールすることができます。
さらに、地元のお客様を多く獲得できれば、常連客として定着しやすくなり、リピーターの増加につながります。結果として、飲食店の継続的な成長にも大きく貢献します。
【即効性抜群】伸び悩む方にはインフルエンサーマーケティングがおすすめ

ここまでさまざまな集客ツールをご紹介してきましたが、SNSが発展した今だからこそ注目したいのが「インフルエンサーマーケティング」です。
今の集客ツールに物足りなさを感じている方に、ぜひ試していただきたい方法です。
インフルエンサーマーケティングとは?
そもそも、インフルエンサーマーケティングとは何かというと、SNSなどで多くのフォロワーを持つインフルエンサーに、商品やサービスを宣伝してもらうマーケティング手法です。
インフルエンサーの影響力を活用して、商品やサービスの認知度を高めたり、購買意欲を促進したりする効果が期待できます。
特に飲食店はInstagramとの相性が非常に良く、インフルエンサーに紹介してもらうことで、即効性のある集客が見込めます。
予算
インフルエンサーを選定する場合の予算は、フォロワー数×1円~4円が相場です。
具体的な料金の目安は、以下の通りです。
- フォロワー10万人のインフルエンサーに依頼する場合:約30万
- フォロワー1万人のインフルエンサーに依頼する場合:約3万
見込める成果
とある飲食店では、インフルエンサーマーケティングを活用したところ、
インフルエンサーが投稿をした直後から予約が増え、集客が難しいといわれる6月に、前年対比130%の集客を達成しました。
また、Webのアクセス数も増加し、投稿後のホームページのPV数が前日比32倍に増加。その週末に、予約が50件近くも増加したという結果に。
このように、インフルエンサーマーケティングは予算を抑えながら確実に集客効果を得られる手法として、近年特に注目されています。
インフルエンサーに依頼する方法
インフルエンサーに依頼する方法は2通りあります。
個人に直接依頼
個人で依頼する方法は、仲介業者を通さないためコストを抑えられ、スピーディーに施策を進められるというメリットがあります。
一方で、インフルエンサーの選定や報酬の交渉、投稿内容の確認、効果測定などをすべて自社で対応する必要があり、一定の人的リソースとマーケティングの知識が求められる点には注意が必要です。
インフルエンサーマーケティング会社へ依頼
インフルエンサーマーケティング会社を利用する方法は、PR施策を確実に成功させたい方に適した選択肢です。
経験豊富なプロが、インフルエンサーの選定から企画運用、効果分析まで一貫して対応してくれるため、効率的かつ効果的なプロモーションが可能になります。
ただし、会社によっては費用が高額になる場合もあるため、実績やサポート内容をしっかり確認し、信頼できる会社を選ぶことが成功のカギとなります。
集客ツールの効果を最大限発揮するためにやるべきこと

最後に、集客ツールの効果を最大限発揮するためにやるべきことをご紹介します。
- 様々な集客ツールを使用する
- 分析を怠らない
- SNSやGoogleビジネスプロフィールは定期的に更新する
順番に解説いたします。
様々な集客ツールを使用する
集客ツールは1つだけに絞るのではなく、必ず複数使用しましょう。
1つの集客ツールのみ使用していると、アプローチできる顧客層が限定されてしまい、機会損失に繋がります。また、複数のツールを活用することで、自店舗と相性の良い集客ツールを見つけることもできます。
たとえば、WEB広告だけでなく、InstagramやLINEによる情報発信、Googleビジネスプロフィールの活用、地域フリーペーパーへの掲載など、オンライン・オフライン両面からのアプローチが効果的です。
これまでにご紹介したように、事前に設定した予算や目的と照らし合わせながら、さまざまな手段をバランスよく活用しましょう。
このようにして、複数の集客ツールから幅広いターゲットにアプローチすることで、安定した集客に繋がります。
分析を怠らない
集客ツールを導入しただけで満足してはいけません。定期的な分析が必要です。
分析を怠ると、費用対効果の低い施策を続けてしまい、無駄な広告費をかけてしまうことになりかねません。
例えば、広告出稿前後での来店数やWebサイトへのアクセス数を比較することで、施策の有効性が判断できます。
また、「グルメサイトのクーポンよりもInstagramの投稿のほうが集客に繋がった」というように、効果の高い手段を見極めることもできます。
このように、集客ツールの効果は分析と改善があってこそ、真の成果に繋がります。
SNSやGoogleビジネスプロフィールは定期的に更新する
SNSやGoogleビジネスプロフィールは、定期的に更新することが大切です。
更新を怠ると、ユーザーの関心が離れてしまう恐れがあります。一方で、定期的な情報発信を行うことで優先的に表示されやすくなり、より多くの見込み客にアプローチできるようになります。
週に1回でもメニューやイベント、季節限定の情報などを投稿しましょう。
継続的な情報発信をすることで、信頼感と来店意欲を高めることができます。
飲食店向け集客ツールまとめ
飲食店が集客ツールを活用して効果的な集客を実現するためには、事前の準備や計画、実行と分析がとても重要です。
気になる集客ツールがあれば、まずは試してみるのがおすすめです。実際に、思っていた以上に反響や成果が得られたという事例も多くあります。
今回ご紹介した内容を参考に、自店舗に合った方法をぜひ実践してみてください。