「YouTubeを使ってお店の集客はできる?」
「どれくらい集客効果があるの?」
YouTubeに興味はあるけれど、具体的な運用方法が分からず、一歩踏み出せない方も少なくありません。
近年では、SNSを活用した集客を行う飲食店が急増しており、他店との差別化を図るためには、SNSからの集客は必要不可欠になっています。
そこで今回は、SNSの中でも特に集客効果が高いYouTubeでの集客方法や動画投稿のポイントなどを詳しく解説いたします。
飲食店がYouTubeを始めるべき理由

飲食店がYouTubeを始めるべき理由は、以下の3つです。
- 無料で宣伝ができ広告費を削減できる
- SNSの中で利用率が最も高い
- 幅広い世代に見てもらえる
順番に解説していきます。
無料で宣伝ができ広告費を削減できる
YouTubeは、登録料や利用料が一切かからないため、お金をかけずにYouTubeの運用ができ、広告費を削減できます。
これに対し、看板広告を設置する場合、多額の費用が必要ですが、確実に回収できる保証はありません。
さらに、YouTubeでの撮影に高価な機材は不要です。スマートフォンだけでも十分に高品質な動画を撮影することが可能です。
動画編集ツールも無料のものが多く、ほとんど費用をかけないでYouTubeの運用ができるため、広告費を削減することができます。
無料の動画編集ツールについては「初心者OK!YouTubeの動画編集でよく使われる便利アプリ、ツール」でご紹介しています。
SNSの中で利用率が高い
YouTubeは、Instagram、X(旧Twitter)、FacebookなどのSNSの中でも利用率が特に高いプラットフォームです。
Gaiax social media marketingによると、日本のSNS利用者数は、LINEが最も多く9700万人、次いでYoutubeが7,120万人、X(旧Twitter)が6,700万人。そして、Instagram、Facebookと続きます。
飲食店の情報収集にLINEは含まれないことを考慮すると、飲食店探しに使用されるSNSの中で最も利用率が高いのはYouTubeであると言えます。
そのため、SNSの中で利用率が高いYouTubeは飲食店の集客に向いているといえるでしょう。
参照:2025年1月版!性別・年齢別 SNSユーザー数(X(Twitter)、Instagram、TikTokなど13媒体)
幅広い世代に見てもらえる
YouTubeを投稿することで、幅広い世代に見てもらうことが可能です。
モバイル社会研究所の調査によると、YouTubeの全年代の利用率は68%。利用率が一番高い年代は20代で83.7%。60代においても58.6%の利用率となっており、幅広い年代の方が利用しています。
このように、60代以上でも半数以上の人々がYouTubeを利用しているため、YouTubeを運用することで、若年層から高齢層まで幅広い世代にYouTubeを見てもらうことが可能です。
参照:10代のYouTube Live認知率:約9割・視聴率:約3割
飲食店がYoutubeを始めることで得られるメリット

飲食店がYouTubeを始めることで得られるメリットは以下の4つです。
- お店の雰囲気が伝わる
- 信頼感・安心感を持ってもらえる
- 直接予約サイトへ流入できる
- 広告収入が得られる
順番に解説していきます。
お店の雰囲気が伝わる
YouTubeを活用することで、お店の雰囲気が伝わるという大きなメリットがあります。
看板広告やWeb広告の場合、お客様からではお店の雰囲気が分からず、お店の魅力を十分に伝えきれないというデメリットがあります。
一方で、YouTubeでは、動画としてお店の雰囲気を伝えられるため、実際に来店した時のイメージを想像できます。
このように、YouTubeはお店の雰囲気を視覚的にに伝えることが可能です。
信頼感・安心感を持ってもらえる
YouTubeを活用することで、お客様に信頼感や安心感を持ってもらうことが可能です。
人は心理的に、正体が明確でよく分かるものに対して安心感や信頼感を抱きやすい傾向があります。
例えば、YouTubeで営業中の店内の様子や実際の料理を動画で紹介することで、実際に来店した気分になって動画を視聴できます。そのため、ユーザーが来店のイメージをしやすくなり、初めてのお客様でも安心して足を運びやすくなります。
このように、YouTubeを活用することによって、お客様に信頼感や安心感を抱いてもらうことができます。
直接予約サイトへ誘導できる
YouTubeでは、動画の概要欄にリンクを貼るだけで、直接予約サイトへの誘導が可能です。
通常は、飲食店の予約は「目黒駅 ラーメン」や「池袋 ランチ」などと検索して行われますが、実際は大手のチェーン店が検索結果を独占する場合が多く、個人店が目立つのは難しいのが現状です。
一方、YouTubeの場合は、概要欄に貼ったリンクから直接予約サイトへ誘導できるため、効率的に集客につなげることができます。
広告収入が得られる
YouTubeでは、下記の条件を満たすことで、広告収入を得ることができます。
- チャンネル登録者1,000人
- 直近12ヶ月で動画の総再生時間が4,000時間以上
また、登録者が1万人の場合は月5万~20万の収益を得られる可能性があります。このように、収益化に成功することで、副収入を得ることが可能です。
決して易しい条件ではありませんが、動画投稿を継続し、視聴者に価値のあるコンテンツを提供することで、広告収入が新たな収益源となりえます。
飲食店がYoutubeを始めるうえで準備しておくこと

飲食店がYouTubeを始めるうえで準備しておくことは、以下の4つです。
- 動画編集の知識
- 人件費の確保
- 編集作業時間の確保
詳しく解説していきます。
動画編集の知識
YouTubeを運用する上で、動画編集の知識は欠かせません。
実際にスマートフォンで撮影した動画をそのまま投稿しても、チャンネルが成長する可能性はほとんどありません。
なぜなら、近年は動画のクオリティが上がってきているため、視聴者が求める水準を満たすためには編集が必要不可欠だからです。
そのため、動画編集ツールやアプリを活用して、編集スキルを身につけることが重要です。
一方で、動画編集に時間や労力を割きたくないという理由から、業者に動画編集を依頼するお店も多いです。多少の費用はかかりますが、確実にチャンネル登録者数を伸ばすことが可能です。
動画編集にお金をかけたくないという方は、この後ご紹介する「初心者OK!YouTubeの動画編集でよく使われる便利アプリ、ツール」を参考にしてみてください。
人件費の確保
YouTubeを効果的に運用するには、動画編集に一定の時間と労力が必要です。
忙しい飲食店では動画編集に手が回らない場合が多いため、継続的に質の高いコンテンツを作成するのは難しい場合があります。
そのような場合、YouTube専任担当者を採用するという選択肢があります。担当者を雇うことで、YouTube運用や動画編集を効率的に行うことが可能になり、安定したコンテンツの投稿が可能になります。
しかし、その分、新たに人件費がかかるため、予算や運営体制に応じて慎重に判断する必要があります。
編集作業時間の確保
YouTube専任担当者を雇わない場合、自分一人で動画編集を行うことになるため、編集作業時間の確保が必要です。
動画編集にかかる時間は、動画の内容や長さ、編集する人によって異なりますが、一般的に1本で4~8時間程度かかります。
動画の編集だけで数時間、さらに企画や分析の時間も含めるとなると時間がかかってしまいます。
特に忙しい飲食店の場合、本業に支障が出る可能性が高いため、編集作業に必要な時間を事前に確保することが重要です。
飲食店がYoutubeを伸ばすためのポイント

ここまで準備できて初めて、YouTube用の動画を撮影していきます。飲食店がYoutubeを伸ばすためのポイントは以下の6つです。
- テーマを決める
- 視聴者の食欲を刺激する
- お店の情報を明記する
- 自身の経験やスキルを公開する
- 伸びる仕組みを理解する
- ショート動画を利用する
順番に解説していきます。
テーマを決める
動画を作成する際には、1つの動画で伝えるテーマは1つに絞りましょう。
複数の内容を詰め込みすぎると、視聴者に「結局何を伝えたいのか」が伝わらなくなり、動画の印象が薄れてしまいます。
そのため、例えば「自慢の料理を紹介する動画」「スタッフの人柄を伝える動画」など、テーマを決めて動画を撮ることで、ブレない動画作りが可能になります。
多くの人に見てもらえる動画を作成するためには、テーマを決めて、視聴者にしっかりと伝わる動画作りを意識しましょう。
視聴者の食欲を刺激する
YouTubeのチャンネルを伸ばすために、視聴者の食欲を刺激することを意識しましょう。
飲食店にとって、大事なのはユーザーが「行ってみたい」「食べてみたい」と感じる食欲をそそるような料理の映像です。
特に、料理の彩りや盛り付け、湯気やジューという音など、視覚と聴覚に訴える要素を意識すると効果的です。
視覚や聴覚に訴える料理の動画を投稿することで、視聴者の食欲を刺激し、ユーザーの来店意欲を高めましょう。
また、美味しそうに食べている姿をアピールすることも非常に効果的です。
お店の情報を明記する
YouTubeで動画を投稿する際には、お店の情報をしっかりと明記することが大切です。
特に動画内で紹介した料理の名前や、お店の名前、住所、連絡先などを記載しておくことで、興味を持った視聴者がスムーズにお店の情報を得ることができます。
お店の情報は動画内だけでなく、概要欄にも記載しておくと親切です。
自身の経験やスキルを公開する
YouTubeの動画内容としては、ご自身の経験やスキルを公開することが非常に効果的です。
例えば、飲食店をオープンするまでの苦労話や、これまでに培った専門的なスキル、日々の工夫やこだわりを動画として発信することで、視聴者に親近感や興味を持ってもらいやすくなります。
また、後ほどご紹介する「参考にしたい飲食店のYouTubeチャンネル成功事例7選」でも、経験やスキルを共有することで有名になったチャンネルがいくつかあります。
YouTubeでは、料理の紹介だけでなく、自身の人柄や経歴、お店に対する思いなどもどんどん発信していきましょう。
伸びる仕組みを理解する
YouTubeの視聴者数を増やすためには、YouTubeの仕組みを理解する必要があります。
特に、以下の2つのポイントを押さえることで、チャンネルや動画が伸びているかどうかを判断できます。
- インプレッション数:サムネイルがユーザーに表示された回数
- クリック率:表示回数に対してどれくらいサムネイルがクリックされたか
これら2つの数字を意識すれば、自然と再生回数も増加していきます。
また、動画の再生数や視聴者数などを定期的に確認し、視聴者が動画をどのように見つけたのか、どの部分で離脱しているのかを分析することも重要です。
このインプレッション数とクリック率を上げるために、やるべきことは以下の通りです。
- 魅力的なサムネイルを作成する
- 効果的なタイトルをつける
- サムネやタイトルに沿った動画内容
これらを継続して運用することで、インプレッション数やクリック率の向上が期待でき、結果として視聴者数も着実に増えていくでしょう。
ショート動画を利用する
YouTubeの視聴者数を増やすために、ショート動画を活用しましょう。
YouTubeのショート動画は、60秒以内の短い動画を投稿できる機能です。短時間で視聴できるため、手軽に多くの視聴者にアプローチできます。
近年では、ショート動画に注力しているYouTuberも増え、注目度が高まっています。
現時点でショート動画では収益化はできませんが、YouTubeチャンネルを知ってもらうきっかけとして活用すると良いでしょう。
初心者OK!YouTubeの動画編集でよく使われる便利アプリ、ツール

ここからは、動画編集に役立つ便利アプリやツールをご紹介します。どれも無料で使えるので、自分に合ったものを使ってみてくださいね。
PowerDirectorアプリ版

PowerDirectorはタイトルや字幕機能、デザインが豊富にあり、YouTube動画をさくっと編集したいという方におすすめのアプリです。
スマホ版とパソコン版があり、パソコン版の方がより高度な編集が可能で、こだわりたい方におすすめです。
iMovie

iMovieはiPhoneのみで提供されているアプリです。スマートフォンユーザーが使いやすいシンプルな機能と構成で、直感的に操作できるのが嬉しいポイント。
各テンプレートには、音楽やテキストがすでに含まれているため、編集時間と労力を節約することができます。
参照:iMovie
InShot

InShotは、手軽に動画作成ができる初心者向けのアプリです。
高度な編集には向きませんが、基本的な編集ツールが揃っており、シンプルで覚えやすい操作性が特徴です。
さらに、SNS向けのテンプレートが充実しているため、動画編集の経験がない方でも、動画を楽しく編集することができます。
Director Suite 365

Director Suite 365は、国内No.1の人気を誇る、YouTuber御用達の動画編集ソフトです。
このソフトは、動画編集用のPowerDirectorに加え、音声編集用のAudioDirector、色調補正用のColorDirector、写真編集用のPhotoDirectorがセットになった、4つの機能を備えたオールインワンの編集ツールです。
動画編集だけでなく、サムネイル作成のための写真編集も可能です。
プロフェッショナルなクオリティの動画や画像を手軽に作成したい方におすすめです。
Promeo

Promeoは、テンプレートが豊富で2 万点以上のテンプレートからお気に入りのデザインを選んで編集できるアプリです。
デザイナーが作成したおしゃれなテンプレートをカスタマイズするだけで、本格的なサムネイルや一部シーンを作成することができるので、簡単におしゃれな動画を作成したい方におすすめです。
参考にしたい飲食店のYoutubeチャンネル成功事例7選

続いて、YouTubeで成功した飲食店を7つご紹介します。ぜひYouTubeチャンネルをフォローして、参考にしてみてくださいね。
焼鳥どんの飲食店あるあるチャンネル

「焼鳥どんの飲食店あるあるチャンネル」は、飲食店「焼鳥どん」が運用するYouTubeチャンネルです。
飲食業界のあるあるを面白おかしく紹介し、リアルなエピソードやユーモアを交えたコンテンツを発信しています。
また、動画は通常の長尺動画だけでなくショート動画も定期的に上げており、チャンネル登録者数は約35万人と人気のチャンネルとなっています。
通常の動画だけでなく、求人動画やフランチャイズ(FC)情報、通販関連の情報発信も行っているため、非常に参考になるチャンネルです。
Chef Ropia料理人の世界

「Chef Ropia料理人の世界チャンネル」は、イタリア料理店のオーナーシェフであるChef Ropiaが個人で配信しているYouTubeチャンネルで、約55万人のチャンネル登録者を誇る人気チャンネルです。
このチャンネルでは、プロの料理人を目指す方に向けたレシピ作りを中心に、実践的で役立つ動画を多数配信しています。
また、イタリア料理の魅力や料理そのものの楽しさを伝えるコンテンツも充実しており、料理初心者や料理好きな方にも楽しめる内容となっています。
鮨屋のまさる🍣Masaru

「鮨屋のまさる🍣Masaruチャンネル」は、寿司屋をテーマにしたチャンネルです。
動画内容は、大将と弟子が二人でお寿司をテーマとしたコント調のショート動画を作成しています。
他のチャンネルとは違い、ライブ配信とショート動画の配信を中心に発信しており、長尺の動画はほぼないにも関わらず、24万人のチャンネル登録数がある大人気チャンネルとなっています。
ショート動画を効果的に活用し、多くの視聴者に支持されている、非常に参考になるチャンネルです。
お肉のおじちゃん 【炭火焼肉あおい】

「お肉のおじちゃん 【炭火焼肉あおい】チャンネル」は、焼肉店「炭火焼肉あおい」が運営するYouTubeチャンネルです。
登録者数は12万人を超え、シェフの調理風景、部位の紹介や捌いている動画、食事風景を配信しています。
特に、店主自身が出演し、焼肉の焼き方や肉の選び方など、専門的な知識を分かりやすく伝えることで他のチャンネルとの差別化を図っています。
また視聴者が「食べたい!」と思うような工夫がされているのも特徴です。
肉のプロフェッショナル

参照:肉のプロフェッショナル
「肉のプロフェッショナルチャンネル」は、肉の選び方から調理法、保存方法まで、肉に関する幅広い情報を発信しているチャンネルです。
プロのシェフが実際に調理を行いながら、料理のコツや秘訣を丁寧に解説しており、特にコストコのタンを扱った動画は、再生回数が300万回を記録しています。
肉料理に関するプロフェッショナルな知識を学びたい方にとって、非常に有益なコンテンツが揃っているチャンネルです。
プロがつくる中華料理

参照:プロがつくる中華料理
「プロがつくる中華料理チャンネル」は、「手作り飲茶と旬菜中華シーホワン」のオーナーシェフ松本が運営しているチャンネルです。
このチャンネルは、中華料理の本場の技術と味を家庭でも再現できるレシピを発信しています。
シェフが自ら料理をする工程を発信し、中華料理を家で簡単に作ることができる内容が人気のチャンネルです。
また、1本あたりの動画時間が基本的に10分程度と短く、手軽に視聴できるのも魅力です。
まかないチャレンジ!

参照:まかないチャレンジ!
「まかないチャレンジ!チャンネル」は、「河原のあべ」という天ぷら店が運営するYouTubeチャンネルです。
動画では、料理のレシピや調理手順が詳しく解説されており、視聴者が簡単に自身で料理を再現できる内容となっています。
親しみやすさと実用性から、現在66万人ものチャンネル登録者を誇る人気チャンネルに成長しています。
YouTubeを使った飲食店の集客方法まとめ
ここまで、飲食店がYouTubeで集客を行うべき理由や、効果的な動画投稿のポイントについて解説してきました。
動画を投稿する際には、テーマを明確に設定し、毎回投稿後にしっかりと分析を行うことが重要です。
成功している飲食店のYouTubeチャンネルを参考にしながら、オリジナリティのある動画投稿をしていきましょう。
さらに、動画を投稿する際には、住所、連絡先などのお店の情報を明記しておくことを忘れないでおきましょう。
これからYouTubeを活用して集客を始める方は、これまでご紹介した運用方法を参考にして、魅力的な動画を作成してみてくださいね。